tokiori企画展 二『Lovable』を終えて

通常の風景に戻ったtokiori。
3週間の出来事がまるで魔法にかかったかのような時間だったなぁと、振り返っています。

世代を引き継いで傍においておきたくなるテディベア、現代アートのように形を変えて生まれ変わった古農具の鋤(すき)、小さな小さな世界の中にさえ趣や時代を感じるアンテークのビーズやジュエリー。
それぞれのアーティストが愛してやまないものであると同時に、時代を超えて愛していけるもの、愛され続けられてきたものでもありました。そんな時代が交差する空間の中で、たくさんの方に足を運んでいただき、実際にアーティスト本人とお話ししたり、実際に触れてもらったり、思い思いの時間を過ごしていただきました。

多くの方からテディベアのイメージが変わったという言葉をいただきました。心地よい重量感と、緻密に手縫いされ緩やかなカーブを描くフォルムに驚かれる方がたくさんいらっしゃいました。そのクオリティーのみならず、作家としての人間性やベア制作へのこだわりに惹かれる方が多く、話に聞き入っている方が多かったことがとても印象に残っています。

鋤を使い弧を描いたオブジェは、その存在感と迫力に驚かれたり、「これは一体…?」と不思議がられる存在。鋤のことを知っている方や使ったことがあるという方からは、こんな風になるなんてびっくりだ!と新しい世界へようこそ、といった感じ。初めて見た方はその用途を知って、とにかく農具をアートにする発想がすごいという感想をいただきました。さらには、釘を使ったり穴を開けたりせずに、麻紐だけで繋がっているのですが、オリジナルの縛り方まであみだしているというこだわりに関心の声を上げる方も多くいらっしゃいました。
実はこの輪、Re’BEARさんが「自分はベアの世界と現実の世界の間にいるゲートのような存在に思える」と言ったひとことがきっかけとなり、ベアが行き交うゲートを表現しています。

アンティークのボタンやビーズは、やはり多くは女性を釘付けに。よく見ると一粒一粒色の入り方が違って趣があり、どんな時代を経てここに並んでいるんだろう?と妄想してしまいます。ミラノ在住の80歳のおばあちゃんが手作りしているという大ぶりのジュエリーに目を止める方も多く、個性的でどこか外国の香りを感じ取っていただけたのだと思います。

異素材でひとつの完成された空間を作り上げる事の難しさや面白さ、作り上げていく過程の緊張感、私を含め関わるアーティスト同士の企画に対する向き合い方、言葉で説明することができないけどそこに流れている空気から、とても大切で、少々忘れかけていた(かもしれない)刺激を体感することができた3週間でした。

また、参加アーティストのお客様やお知り合いのご来場が多く、普段からの信頼度の高さを感じずにはいられませんでした。お客様との向き合い方ひとつにしても、それぞれが純粋で真剣で、とても輝いて見えました。個性的でとてもすてきな3人のアーティストと同じ時間を過ごせたこと、またそんな3人の合作をたくさんの方に見ていただけたことに感謝しかありません。人との出逢いはやはり、何ものにも代えがたいものですね。

3人の活動はこちらから。
テディベア作家 instagram:@rebear100
古道具そらしま https://solashima.com/
Kanade Hair http://kanade-salon.com/

3週間ありがとうございました!