tokiori企画展 九 『白の気配』を終えて

昨年の12月から今年1月にかけて開催した『白の気配』。
ふたりの作家さんと同じテーマのもと、2ヶ月続きで開催するのは初めての試みでした。

「なぜそうしたんですか?」と度々聞かれたのですが、具体的な何かがあったというより、直感や感覚に従った結果そうなった、といった感じでしょうか。出会った時期も違うし、おふたりが知り合い同士だったわけでもなく、コラボ展のようにしたかったわけでもなく。

それぞれの作品を前にした時に、情報であふれる日常からしばらく離れられる空気感や、作品がつくり出す心地よい緊張感、目の前にあるものがすべてになる感覚があって。表現が難しいですが、作品にどんどん引きこまれていく感覚が似ていたことが一番大きな理由だと思います。さらに、些細なタイミングや嬉しい偶然が重なって、「あ、今!」みたいな感覚もありました。笑
そんな企画者の意図を汲んでくださったおふたりに、とても感謝しています。

そんなこんなの経緯がありつつ始まったのですが、「実は、ふたりとも好きな作家さんなんです!」と喜んでくださった方がいらっしゃったのは私自身も驚きでしたし、とても嬉しい瞬間でした。

第一幕
2020.12.8tue-12.27sun
ガラスクラフト作家 サトウカヨ

『白の気配』サトウカヨ ガラス

『白の気配』サトウカヨ ガラス

『白の気配』サトウカヨ ガラス

『白の気配』サトウカヨ ガラス

前半と後半で展示替えを行いました。前半は円柱を意識してガラス粒を塊に。後半は空間全体に散りばめて、ガラス粒が降り注ぐイメージです。何に見えたか、何を感じたかは、まさに十人十色だったと思います。そして、そのどれもがそれであり、言葉で例えられないのもそれはそれでいいのだと思います。目の前にある集合体が何かの加減で揺れたり光ったり、ガラスを通して世界が反転して見えたり。写真ではなかなか伝えられない、瞬間瞬間の世界がそこにありました。インスタレーションの醍醐味だと思います。昼と夜、光の強さで刻一刻と変化するその集合体は、個々は小さな存在であることを忘れてしまうほどに人の心を動かす大きな力を感じました。

『白の気配』サトウカヨ ガラス

『白の気配』サトウカヨ ガラス

技術的なことも少し学びました。
ガラスと金属の融合はとても難しく、ガラスの種類と金属の種類それぞれに相性があることや、温度の加減や収縮率などとても繊細なコントロールが必要なことを知りました。そのひとつひとつの技術と経験の積み重ねによってつくられる作品だからこそ、人を惹きつけたり興味をそそられたりするのだと思います。やはり作り手から直接話をお聞きするとさらに興味の幅が広がっていきます。

アクセサリーもたくさんの方のもとへ旅立ち、第二幕に身につけてきてくださる方もいらっしゃってとても嬉しいつながりを感じました。バーナーワークによって独自の方法で制作するカヨさんの作品は、ガラスなのにとても柔らかくあたたかな印象がありました。

『白の気配』サトウカヨ ガラス

真鍮のワイヤーでフックやクリップを作るワークショップも開催。自分で作れるなんて!しかも結構簡単!ということで、こちらもたくさんの方が参加してくださいました。

『白の気配』サトウカヨ ガラス

第二幕
2021.1.5tue-1.24sun
銅版画家 中村眞美子

『白の気配』中村眞美子 銅版画

『白の気配』中村眞美子 銅版画

長野に住んでいるなら一度は必ず目にしたことがある何気ない風景や枯れた枝や葉。眞美子さんの視点で切り取られた植物たちがつくり出す個性的な形状から、改めて日常の視点がいかにあいまいであるかを思い知らされました。銅版に刻まれた傷から脆く乾いた枝葉が表現され、絶妙な濃度で刻まれた影の部分は、少し離れると描かれていないはずの雪がはっきりと浮かび上がります。上に乗った雪を払えば、葉がピンと跳ね上がりそう。モノトーンの世界から、温度や音、枝葉の質感までもが伝わってきます。

『白の気配』中村眞美子 銅版画

『白の気配』中村眞美子 銅版画

『白の気配』中村眞美子 銅版画

『白の気配』中村眞美子 銅版画

『白の気配』中村眞美子 銅版画

また、実際に刷った元版と手動のプレス機をお借りできたことで、版画の世界がぐんと広がりました。なかなか実物をみる機会がない中、この企画展を通して理解を深める貴重な一部になりました。

『白の気配』中村眞美子 銅版画

手動のプレス機は、せっかくなのでと、型押しワークショップを。こちらもクリエイティブな作品がたくさんできあがりました。

銅版画ワークショップ

『白の気配』中村眞美子 銅版画

2ヶ月に渡り幾度と足を運んでくださった方も多く、じっくりと作品を味わっていただけたことをとても嬉しく思います。会期を終え、私自身もこれを書きながら、おふたりの魅力をさらに感じています。

作家さんと過ごす時間をはじめ、お越しいただいた方との会話の中ではっとする感想をお聞きすること、初めてtokioriの存在を知って興味を持ってくださる方がいらっしゃること、毎回企画展を通して気づきや貴重なご縁をいただいています。本当にありがとうございます。

次回はまた素敵な人、ものや事と出会った時に。
一緒に楽しんでいただけたら幸いです。

tokiori企画展 九 『白の気配』

tokiori企画 九『白の気配』

tokiori企画展 九

『白の気配』

第一幕
2020.12.8tue-12.27sun
ガラスクラフト作家 サトウカヨ

第二幕
2021.1.5tue-1.24sun
銅版画家 中村眞美子

会期:上記期間中、火、水、土、日のみオープン
時間:11:00〜18:00
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『白の気配』を感じる、ふたりの作家の作品と出会いました。
今回はひとつのテーマのもとに会期を2回に分けて、おふたりの世界をtokioriからお届けします。

第一幕はサトウカヨさんによる、インスタレーション。2年ほど前に作品の写真を拝見して虜になりました。今年の夏に念願叶ってお会いすることができ、今回の企画展に至ります。長野市ではなかなか見る機会のなかったサトウカヨさんのインスタレーションです。会期半ばの12月19日から展示替えも予定していますので、異なるふたつの世界をたっぷりとお楽しみください。冬に見るガラスのインスタレーション。とても神秘的な世界が広がりそうです。

第二幕は中村眞美子さんの銅版画。2011年ごろから中村さんの個展を拝見してきて、いつかご一緒したいと思っていた作家さんのひとりです。ドライポイントで繊細に描かれた冬枯れの風景は、見れば見るほどその感触や温度、風の音までも聞こえて来るような存在感。どんどんその世界に引き込まれていきます。今回はそんな中村さんの作品を“見る”だけではなく、もっと“体感”できるような方法の展示を、と計画しています。

まったく異なる作品からイメージした『白の気配』。
季節とともに味わっていただくのはもちろん、おふたりが表現する研ぎ澄まされた自然の美しさに、しばし心を無にしてぼーっとしてみたり、自分の世界に浸ってみたり、想像を膨らませてあれこれイメージしてみたり、思い思いの時間をじっくり過ごしていただけたら幸いです。

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プロフィール
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ガラスクラフト作家/サトウカヨ
飯綱町在住。独学で学んだバーナーワークでオブジェやアクセサリーなどを製作し、県内外のクラフトフェア出展を中心に活動。自然の中にある美しいものをカタチにしている。
在廊日:2020年12/8(火)・12(土)・16(水)・20(日)・23(水)・27(日)(予定)
※在廊日時については作家SNS、HPでご確認ください www.satok.net
○ アクセサリーやオブジェも販売します。
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銅版画家/中村眞美子
版画家・山下孝子氏に師事。身近にある風景の美しさを、ドライポイントの技法により追求している。県内外で主に個展を中心に活動。
在廊日:2021年1/5(火)・9(土)・13(水)・17(日)・20(水)・24(日)
○ 作品はお買い求めいただけますが、お渡しは会期終了後となります。
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『森の灯り』白樺でキャンドルホルダーをつくろう

森の灯り

12月14日&15日、各日2回に渡って開催したワークショップは、全回満席となり賑やかな2日間になりました。
荒山林業の荒山雄大さん、あゆみさんと一緒に、できるだけ森の雰囲気をみなさんに味わっていただこうと、tokioriに落ち葉を敷き詰め、白樺も長い状態で運び込んでいただきました。山を愛するおふたりだからこその発想と想いがつまった空間が出来上がりました。

森の灯り

森の灯り

森の灯り

森の灯り

気に入った白樺を選んでノコギリで好きな長さに切り、穴を開け、バーニングペンで絵や模様を描いたりしながら、3時間という限られた時間を使って思い思いの作品作りに没頭しました。完成させる達成感や、木を切るという久しぶりの感覚、慣れない工具や道具と格闘…ユニークな作品がたくさん出来上がりました。

森の灯り

荒山林業では、なるべく自然に近い生態系を維持しながら森を育てています。今回tokioriにやってきた白樺も、寿命を全うし自然に還る前のもの。そのまま朽ちていっても森の栄養になるから決して無駄にはならないけれど、使える状態をすくい上げることで、私たちに楽しみを与えてくれた貴重な白樺です。

今回ご一緒させていただいて、おふたりの自然に対する姿勢や考え方、あるべき姿の追求と葛藤、さまざまな想いがある中で、たくさんの人に山のこと、森のこと、自然のことを伝えたい!という情熱を感じました。そんなふたりとだからこそ実現できたワークショップだったと思います。

荒山林業

山の中を歩くツアーの開催やさまざまな企画も計画しているようなので、ぜひ荒山さんの山を実際に歩いてみていただけたらと思います。山のスペシャリストの話を聴きながら歩くと、興味の幅も広がります。フェイスブックやインスタグラムなどでチェックしてみてください。

Facebook → https://www.facebook.com/arayamaringyo/
instagram → https://www.instagram.com/arayamaringyo/

最後に、今回の森のイメージに合わせてBGMには鳥の声を、そしてch.books CAFEのオリジナルブレンド『鳥のついばみブレンド』をご用意しました。「いい香り〜!」と、とても好評でした。tokioriからも近くのch.booksで購入できます。

ch.books CAFE

参加してくださったみなさま、ありがとうございました!
キャンドルの灯りを楽しみながら、暖かくしてお過ごしください。

tokiori

ワークショップのお知らせ

tokioriワークショップ
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『森の灯り』 ー 白樺でキャンドルホルダーをつくろう
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開催日
2019年12月14日(土)& 15日(日)

時間(両日共に)
1回目 10:00〜13:00
2回目 15:00〜18:00

定員
各回6名様

参加費
おひとり¥2,500
(ティーライトキャンドル付き)

講師
荒山雄大さん、あゆみさん(荒山林業・大町)

プロフィール
長野県大町市にある約270haの持ち山で、夫婦で林業経営を行う自営林家。面積の約7割が天然生林を占め、自然のあるべき姿を維持する荒山林業地で、持続可能な森づくりと、人と自然の共存の可能性を追求している。

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大町で林業に携わる荒山雄大さんとあゆみさん。
おふたりと一緒に、荒山さんの山で伐採された白樺を使って、tokioriでキャンドルホルダーを作るワークショップを開催することになりました!

荒山さんのご好意で、山の雰囲気を存分に味わっていただくために、丸太の状態でtokioriにやってくる白樺。太さや長さ、切り方を自由に決めていただけます。大きいのをひとつ、とか、小さいのをふたつ、とか、白樺を眺めながら思い思いに想像を膨らませてみてください。バーニングペンで樹皮や切り口に絵をかいたり文字を入れたりすることもできます。

工具を使って実際に切ったり穴を開けたりしますので、当日は汚れても良い格好でお越しください。興味はあるけど、工具は苦手…という方には、こちらでサポートしますのでお気軽にご参加くださいね。

季節柄、年末年始のイベントやお食事会、パーティーテーブルや店舗の雰囲気づくりにもお役立ていただけそうです。もちろん普段使いやプレゼントにもいいかもしれません。

お申し込みはコンタクトフォームより、参加される方のお名前、希望日時、ご連絡先をご記入の上、送信してください。

あたたかいお飲み物とおやつをご用意して、
みなさまのご参加をお待ちしております!

『Fall in herb, Fall in spice』を終えて

10月26日(土)
『Fall in herb, Fall in spice』の記録です。
少々長くなりますが、よろしければお付き合いください。

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I部:サロン・ド・テ ー 焼き菓子皿と紅茶
時間:14:30-16:30

林檎畑の木の下をイメージしたテーブルで仕上げるのは、『ノルマンディ風の林檎のタルト』。生地にはナツメグ、林檎にはカルヴァドスと黒胡椒、参加してくださったみなさまと同じテーブルで会話をしながら、Hikaruさんが仕上げていきます。

箸の代わりに使っているのはローリエの茎。オーブンに入れてタルトと一緒に焼き上げると、だんだんと空間に広がるローリエの香り。

スパイスとハーブの香りに包まれながら、紅茶の準備にとりかかります。
『遠い街』をイメージしたオリジナルブレンドの紅茶をご用意いただきました。調香する素材ひとつひとつの香りをみんなで確かめながら、利きハーブ&スパイスの時間も。カルダモンやジンジャー、シナモン、オレンジピールなどに1ヶ月前に摘んでおいたという金木犀の花を加えて。力強いスパイスの奥にふわっと感じる華やかさが個性的でした。フランスに思いを馳せたり、金木犀が咲く頃を思い出す『遠い街』。Hikaruさんの詩的な世界に引き込まれました。

クリームと林檎を浸しておいたカルヴァドスを一煮立ちさせて、あつあつに焼きあがったタルトの真ん中に流し込んだら切り分け、生クリームをのせていただきます。

6名様のご参加をいただき、着席にてじっくり味わう林檎のタルトとオリジナルブレンドの紅茶。メモをとったり、Hikaruさんとの会話を楽しんだりしながら穏やかな時間を過ごしていただきました。
最後には、林檎の収穫をして。

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II部:アペロ – フランス惣菜とノンアルコールカクテル
時間:19:00-21:00

テーブルの設えを変えて、12名様立食にてお迎えしたⅡ部の『アペロ』。キャンドルを灯し、雰囲気ががらりと変わります。アペロとは、フランスの食文化で、アルコールとおつまみで過ごす夕食前のリラックスタイム。
(余談ですが、フランスでは夕食の時間は20時くらいからが一般的だそうです。アペロの時間を過ごしてから、夕食を愉しむという美食大国らしい習慣だなぁと思いました。実際フランスに行った時に、深夜でもレストランは賑わっているところが多かったです。)

今回はHikaruさんの旦那さま、羽深さんにノンアルコールカクテルでご用意いただきました。初めはハーブやスパイス、果実を漬け込んだシロップを使ったビアカクテルから。

その間にHikaruさんがtokioriのキッチンで、フランスのお惣菜を仕上げていきます。香ばしいパスティラはフレッシュミントと共に。新鮮なお野菜を使ったオードブルを味わいながら、テーブルの上のオーガニックハーブや、スパイスのテイスティングセットをきっかけに、みなさまには思い思いの時間を過ごしていただきました。

最後はなんと卵黄(?!)を使ったデザートカクテル。ミントを添えてすっきりと。楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいます。


ハーブとスパイスをテーマに過ごしたふたつの時間。
どちらも厳選された素材を使い、その時間にベストの状態で仕上げられたHikaruさんのお菓子やお惣菜は、シンプルさの中に垣間見える個性を感じ、忘れられない記憶として今も残っています。羽深さんの美しい所作、ユニークで味覚をくすぐるカクテル、セレクトしていただいたBGMも今回の空間になくてはならない存在でした。おふたりから感じる研ぎ澄まされた感覚に緊張感を覚えつつ、素材選びへのこだわりや、食に対する探究心、食べてもらう人への配慮など、とても多くのことを学ばせていただきました。

そして何より、参加してくださったみなさまが、それぞれの愉しみ方でこの時間を完成させてくださったのだと思います。
ありがとうございました。

月に一度、ナノグラフィカでHikaruさんの料理教室『旅するような料理教室店』が開催されています。私が初めてHikaruさんと出会った場所です。
興味のある方はぜひ参加してみてください。
→スケジュールはこちらから

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プロフィール
料理家 Hikaru
2016年長野に移住。シンプルな暮らし、食のありかたを見つめ、
家庭で楽しめるような素材をいかした料理、季節の手仕事などを提案する。
雑誌、広告、書籍への寄稿、食にまつわるコーディネートやスタイリング、
レシピ制作など活動は多岐にわたる。
instagram @hikhaboucca
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ここからは、少し話が脱線しますが、ご興味あれば読み進めてくださいませ。

当日メニューと一緒にじゃばら折の小さな本をお配りしました。I部とⅡ部、それぞれの時間に登場したハーブ&スパイスの一部を描き入れてあります。表紙には、裏面に入れた『くらしのヒント』に登場するものから。
I部(上段)ジンジャー、クローブ、黒胡椒
II部(下段)マスタード、マジョラム、カモミール
 

個人的に、ハーブやスパイスは小瓶や小分けの袋になっているものを目にする機会が多く、植物としてどんな風に存在しているのか疑問でした。今回、Hikaruさんがテーマにあげてくださったことをきっかけに、図鑑を見たりネットで調べたりしながらイラストを描いたのですが、とても興味深かったです。

本繋がりで、もうひとつ。
当日見ていただいた、フランスから買ってきたレシピ本。文字だけで記され、しつけ糸のような綴じ、ページの上部と下部つながったままのところが…… 独特な製本のスタイルにさまざまな憶測が飛び交いました。

切り忘れた、立ち読み防止、とじてある紐を切って一枚に広げて見る、自分で袋とじ(?)を切るような楽しみを……想像を巡らせたのですが、解決せぬまま。

後日、Hikaruさんから「思い出した!」と連絡が。
『ルリユール』というヨーロッパの伝統的な装丁技術だそうです。この場合は、食材ごとに仮止めされた状態の1冊1冊を自分好みにセレクトして、最終的にきちんと合わせて製本する、ということでしょうか。珍しい仕組みになんだかワクワクします。何気なく手に取った本から新しい世界を知ることができました。興味のある方は『ルリユール』で検索してみてくださいね。

最後に、当日の様子を記録してくれた木下さん、
素敵な写真をたくさんありがとうございました。

tokiori企画 七 『Fall in herb, Fall in spice』

今回お迎えする料理家のHikaruさんとの出会いは、ナノグラフィカで月に1回開催されている『旅するような料理教室店』でした。テーブルの上に置かれたちいさなメニューと繊細でゆったりと流れる空気感がとても印象的だったのを覚えています。6名の参加者が一緒に作って食べるお食事会で、次々とテーブルに運ばれてくるうつわや道具、食材の美しさ、丁寧な説明と食へのこだわりを聞いているうちに、すっかりファンになってしまいました。もちろん仕上がったお料理はどれも美味しく、シンプルに味付けされたにも関わらず、どこか記憶に残るものばかりでした。

それから何回かHikaruさんのイベントに参加する中で、ぜひ何かご一緒できたらと思いお声がけさせていただきました。今回は料理教室とはまた違ったスタイルで、Hikaruさんの食の世界に触れていただけると思います。ぜひお出かけください。

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【tokiori企画 七】

Fall in herb, Fall in spice
2019.10.26 sat

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冬が待ち遠しくなるような1日を。

今回は料理家のHikaruさんをお迎えし、ハーブとスパイスをテーマに2つの特別な時間をご用意しました。

丁寧な素材選びからはじまり、時季の味覚を活かしたレシピはシンプルなのにどこか個性的で、ひと口ごとに幸せを運んできてくれるよう。ハーブとスパイスを上手に使うコツやたのしみ方、レシピに関するとっておきの話など、Hikaruさんの食の世界に触れるひとときです。

お菓子やお食事は、その場で仕上げるものもございます。
五感が目覚める1日に、ぜひご参加ください。

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I:サロン・ド・テ ー 焼き菓子皿と紅茶
時間:14:30-16:30
定員:6名(着席)
おひとりさま 5,000円(税込)

ノルマンディー風林檎のタルト
 ー 黒胡椒とカルバドス、クリームのハーモニー
『遠い街』をイメージして調香した紅茶とともに

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II:アペロ – フランス惣菜とノンアルコールカクテル
時間:19:00-21:00
定員:15名(立食)
おひとりさま 5,500円(税込)

五感で愉しむ、時季の食材でつくるフランス惣菜と
『晩秋』のノンアルコールカクテル

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お問い合わせ、ご予約:
tokioriのメールフォームより、参加される方のお名前とご連絡先、ご希望の参加回、アレルギーの有無をご記入いただき送信してください。

1週間経ってもこちらからの返信がない場合は、メールアドレスを再度ご確認の上、ご連絡をお願いいたします。定員に達し次第締め切りとなります。

それでは、みなさまにお会いできることをお待ちしております。
男性も気兼ねなく、ご参加くださいませ!

『to: / from: 』を終えて

いつもは企画側にいる私たちの作品展となった『to: / from:』 。
6回目を迎えたtokiori企画展ですが、自分たちの作品を観ていただくのは初めてのことでした。いつもとは違う感覚だったりプレッシャーもありつつ始まった企画展でしたが、無事会期を終えました。展示を終えてホッとすると同時に感謝の気持ちと、やってよかった!という気持ちで満たされています。

デザイナー仲間や友人を始め、出かけた先で見つけたDMがきっかけで来訪してくださった方や、会期中に再来してくださる方もいらっしゃったりと、予想を上回る多くの皆さまに足を運んでいただきました。ご購入いただいたメッセージカードを使ってさっそく贈り物をされた方がいらっしゃって、それを受け取った方がtokioriにご報告に来てくださるという、思いもしなかった嬉しい巡り合わせもありました。

なかなか自分たちの作品を披露する機会は少ないのですが、今回の企画展を通して何を考えながら作品を作ったかをお伝えしながら、自分の中にまた新しい気づきがあったり次の展開を考えるきっかけがあったり、とても楽しく刺激的な日々でした。

先般の駅ビルMIDORIでの展示も合わせ、足を運んでくださったみなさま、SNSなどを通してご覧になってくださったみなさま、本当にありがとうございました!
tokioriから麗らかな春をお届けできていたら幸いです。

tokiori企画展 六 『to: / from: 』

【tokiori企画展 六】

mauve/zuzusaurus
『to: / from: 』 
4月6日(土)〜29日(月)
OPEN: 期間中の土・日・月 11:00~18:00
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メッセージカードやギフトボックス、

誰かを思い浮かべながら選ぶ楽しみ。

春麗ら。

気の向くままに、ふらりとお立ち寄りください。
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現在、長野駅ビル「ステーションビルMIDORI」2Fで、長野ADC(アートディレクターズクラブ)会員によるリレー個展が期間限定で開催中です。tokioriのあるビルの1階奥と2階に事務所を構える私たちも参加。今回の展示は普段の仕事から少し離れたアナログな世界で、メッセージカードやギフトボックスなど、誰かの手からその先の誰かへと届くものたちをテーマに制作しました。

MIDORIでの展示は3月31日までとなりますが、その後作品の入れ替えやしつらえを少し変え、tokioriでも展示を続けることにしました。
tokiori企画展で、企画する側にいる私たちの作品を見ていただくのは初めてのこと。今までとは少し様子の違った雰囲気になるかもしれませんが、どうぞゆるりと気の向くままにお出かけください。
作品の一部は販売予定です。

『光を繍む』展示を終えて


 

宮崎友里 刺繍絵
『光を繍む』 ー ランプシェードに見る刺繍絵の仕立て

新しい可能性を秘めた刺繍絵のランプシェード。
生活の中に溶け込むような、美しいランプシェードが出来上がりました。作家にとって初の制作となったランプシェードをtokioriでお披露目することができ、ご来場されたみなさまからは嬉しいお言葉や感想をお聞きすることができました。そして、半数以上の作品がご自宅や店舗へと、展示後の行き先も決まりました。昼間と夜でイメージが異なる雰囲気を味わうことができる宮崎さんの刺繍絵は、1日を通して絵を眺める感覚で楽しむことができます。ご購入されたみなさまにはぜひ長く愛でていただけたらと思います。

作家の在廊日も多く、宮崎さんとの会話を楽しんで行かれる方が多かったように思います。遠くは広島から(!)県外からも宮崎さんを訪ねて来られる方が多かったもの印象的でした。実物を近くでご覧いただくことができて、企画者としてもとても嬉しい光景でした。これからもモチーフや形を変えて、みなさまの目に触れることがあると思います。繊細な布に走る糸の軌跡をぜひじっくりとご覧ください。

 

 


 

 

そして、ランプシェード以外にも新作がありました。壁掛けタイプのフレーム付き刺繍絵で、モチーフは謎の生物ケムクジャラシー。こちらは来年に向けて、進化系プロジェクトがあるようなので、こちらも引き続き楽しみです。

宮崎さんのアトリエは長野県須坂市にあります。カメラマンの旦那さまと共同で趣のある建物をリノベーションし、写真館『一顆』、刺繍絵アトリエ『りり』として活動されています。

https://ikka-riri.com
https://www.yurikero.com/(個人サイト)

tokiori企画展 五 『光を繍む』

【tokiori企画展 五】

宮崎友里 刺繍絵
『光を繍む』 ー ランプシェードに見る刺繍絵の仕立て
12月8日(土)〜23日(日)
OPEN: 期間中の火・水・土・日 11:00~18:00

【作家在廊日】8日(土)、9日(日)と火曜日・水曜日
(変更がある場合は、インスタグラム(@tokiorinsta)でお知らせいたします)

宮崎さんと初めてお会いしたのは昨年の12月。
個人的に抱いていた“刺繍”のイメージとは違った作品の数々を目にして、ドキドキしたのを覚えています。その絵からしばらく目が離せないというか、吸い込まれるような感覚というか……心を動かされました。
その出会いから約1年。ご縁を感じるシーンも多々あり、今思えば今回ご一緒させていただけることが、初めから一連の流れの中にあったかのよう。感慨深い出会いでした。

今回の企画展で初めての試みとなる『ランプシェード』。光と交わる刺繍絵の情景と、あたたかいランプの光を堪能しに、ぜひお出かけください。
ランプシェードの他にも新作が並びますので、合わせてご期待ください。

https://www.yurikero.com(個人サイト)
https://www.ikka-riri.com(アトリエ兼ショップ)