『Maison de Biscuit – notes of winter table』を終えて

Maison de Biscuit – notes of winter table

偶然にも、雪の週末。
スパイスクッキーの家がよく似合う景色になりました。

金曜日の夜に雪が降り始め、支度中だった室内から外を眺めながら心配な気持ちを半分抱きつつ、雪が積もったらもっと素敵な雰囲気になる!と密かに少しわくわくしていました。当日は無事皆さまをお迎えすることができ、冬の景色ともに、笑いと美味しいため息に包まれた2日間となりました。

Maison de Biscuit – notes of winter table

料理家Hikaruさんとテーブルを囲んで、スパイスクッキーのパーツを組み立てていきます。まずは展開図を広げて、パーツの組み合わせが決まったら、和三盆を溶いたお砂糖で角をつなげていきます。ゆっくり焦らず。まずは土台をつくって一度乾かします。

お砂糖が乾くのを待つ間のブレイクタイムは、スコットランドで誕生したHOT TODDYをお供に。ブランデーやラムをベースに(もとはウイスキー)柑橘やスパイス、はちみつなどを入れた冬によく飲まれる飲み物なのですが、今回はりんごジュースとスパイスで作ったノンアルコールのHOT TODDYでひと休みです。この時間に、Hikaruさんと羽深さんのお知り合いで、デンマーク人の詩人Kasper Lau Hansenさんの詩をご紹介しました。今回の会を企画をしていく中で、おふたりからご提案をいただき何編か読ませていただいたのですが、会の様子を想像しながら、ご参加くださるみなさまに向けてメッセージになるような、優しい言葉が詰まった一編を選びました。(この記録の最後に詩を載せてあります)

ブレイクタイムを終えて、次は屋根。これがなかなか難しい。。案の定、いろいろなハプニングが起こりました。屋根が土台の中にすっぽり入ってしまったり、建てたはずの土台がまた崩れてしまったり、、、それもまた、愉しみのひとつです。笑

Maison de Biscuit – notes of winter table

Maison de Biscuit – notes of winter table

屋根の完成が近づく頃、部屋中に広がるいい香り。
じゃがいものグラタンとアーユルベーダのスープ、カレンズとライ麦のパン。

オーブンから出した熱々のグラタンと、ギーをベースに野菜やポルチーニ、鶏肉をじっくり煮込んで濾した旨味がぎゅっと詰まったスープ、香ばしいパンの香りで心が満たされます。ひとくち口にした皆さんの顔が自然とほころび、ため息の連続でした。身体と心にしみるHikaruさんのお料理は、一度食べたら忘れられないのです。

Maison de Biscuit – notes of winter table

お食事をいただいた後はナイフで乾いたお砂糖を削って形を整えて完成です!
壁につけてあった飾り棚にそれぞれの家を載せて記念撮影も。

Maison de Biscuit – notes of winter table

↓1日目の家

↓2日目の家

Maison de Biscuit – notes of winter table

最後は、紅茶とノエルのお菓子を。デーツの甘みだけというお砂糖が入っていないチョコレートの中には様々なフルーツが入っていて、ひとくちで食べてしまうのがもったいない。。。少しずつ味わっていただきました。

Maison de Biscuit – notes of winter table

出来上がったお家を包んでお持ち帰りいただけるようにご用意した大判のハンカチには、今回ご紹介したKasperさんの詩の最後の一節をシルクスクリーンで印刷しました。ここで過ごしたあたたかな雰囲気と美味しい記憶を思い出していただけたら。

会の後、ご参加いただいた皆さまから心のこもったコメントや感想をいただきました。その言葉を何度も読み返し、Hikaruさん、羽深さんと、この会でご一緒する皆さまにお伝えしたかったことや感じていただけたらいいなぁと話していたことを汲み取っていただけていたのだと実感することができました。同じ時間を共有できたこと、新しいご縁をいただいたことに感謝です。

最後に、今回制作したものを少しご紹介させてください。ハンカチを留めた真鍮の金具は、昨年の企画展でご一緒させていただいたサトウカヨさんのワークショップを思い出し、手作りしてみました。不恰好ではありますが、それも味としてお納めいただきました。また、シルクスクリーンは松本にありますmagtasさんにお邪魔して制作しました。丁寧に教えてくださるので、初めての方でも安心です。楽しいので機会があればぜひ訪ねてみてください。

Maison de Biscuit – notes of winter table

Maison de Biscuit – notes of winter table

写真は、tokiori2階に事務所がある、ズズサウルスの木下さんに撮っていただきました。
いつもありがとうございます!

======詩の全文です======

As within, so outside

Silence.
Sing your song.
Blow your sunny trumpet.
Replenish me until I’m empty.

Call us,
from mountain high.
Thy mighty pinnacles,
where sacred rivers are springing from.

Silence.
Always fresh.
Embracing the heavens.
Thy shelter is our eternal joy.

Free us.
Play a solo.
May we transcend in thee.
Dusk in Sahara. Night in Tibet.

Silence
up in The Alps,
and on the red tulip fields.
Sunrise in Holland. Morning dew.

Bless us.
All tender beings.
As within, so outside.
Shower us softly until we bloom.

Kasper Lau Hansen
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少々長くなりました。。。
最後までお読みいただきありがとうございました!

『 B O R N 』を終えて

『 B O R N 』- 前沢泰史 SOLO EXHIBITION

『 B O R N 』 - 前沢泰史 SOLO EXHIBITION

型にはまらない自由で楽しげ、そして、どこかやさしく穏やかな佇まいの作品の数々。

この作品たちがどんな風に生まれてくるのか……前沢さんが普段使っている道具や過去に書いたスケッチ、インスピレーションを受けている本なども並べて、前沢さんの人となりと一緒に作品を見れたら面白いかも!と、長瀞にある自作のアトリエをイメージした空間を作りました。

普段の仕事とは切り離された、自分が「いい」と思うことに没頭する時間からうまれてきた作品たちは、流木の自然な形を生かしたちょっとユニークなものから、小さく繊細な人物像、祈る人、動物、どれも個性的で、見ているうちにその世界観に惹き込まれていくようなものばかり。企画展中にいろいろお話ししていると、作品への向き合い方だけでなく、生き方も人への接し方も柔軟で、ご自身のライフスタイルをとても楽しんでいらっしゃるように感じました。

そんな前沢さんのお人柄を受けてか、遠方からはるばるこの企画展を目指して来てくださる方や同僚の方、バックパッカー宿泊中に出会った旅の人たちがぞくぞくと訪ねていらっしゃり、驚きの連続でした。

「出来上がった作品を見てもらうのももちろん嬉しいけど、作っている時がいちばん楽しい!」という前沢さんの言葉通り、急遽開催したワークショップは大盛況。参加してくださったみなさんと、賑やかな時間を過ごしました。木彫の楽しさを味わっていただけて、ワークショップをやって本当に良かった!と前沢さんとの何度も話しました。

粗彫りしていただいた形からスタート。時々前沢さんの助けを借りながら彫り進めます。木が削られる音も心地よく、2〜3時間ほど作業(1時間くらいかな?と想定していたのですが、全然終わらない!)に没頭して素敵な作品がたくさん出来上がりました。参加してくださったみなさま、ありがとうございました!

最後に、今回の企画展は、FLATFILEのモリヤさんにご縁をつないでいただき、アトリエの再現にも全面的にご協力いただきました。モリヤさんなしではこの空間は出来上がらなかったと思います。また、この企画展に協力・応援してくださった全てのみなさまに感謝いたします!

ここでのご縁がまた次のご縁に繋がりますように。