『10日間の額縁屋 Rendez-vous』を終えて

Rendezvous

通常の展示とは少々異なる「店舗」としてみなさまをお迎えする企画。どんな展開になるのか始まる前から期待が高まりました。

来店された方々の手には、今まで眠っていた絵や写真、置き場所に悩んでいたオブジェやアートピース、お皿まで、サイズも重さも素材も本当にさまざまなものがありました。その度、モリヤさんが作品に合わせてフィッティング。余白はあった方がいいか、縁の色は?細さは?深さは?マットはいる?…合わせていくと、作品の見え方がどんどん変わり自分で選ぶ時には想像しなかったような景色が見えてきて。シンプルなスタイルの額縁に秘められた奥深さを垣間見た気がします。

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個人的に印象的だったエピソードをひとつ。自分で描いた絵を初めて額装した女の子がいました。絵が大好き、スケッチブックに描きためたたくさんある中から1枚切り離して、モリヤさんのアドバイスのもとそのままの状態で額装。スケッチブックの中にあってもキラキラして見えたけど、額装したこの1枚、彼女にとってこの初めての感覚はきっと記憶に残る、その瞬間に立ち会えたような気がして心密かに嬉しくなりました。大事そうに抱えて帰る姿もとても印象的でした。

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空間に設えた作業場は、実際にFLATFILEから持ち込まれたパーツを組み立ててモリヤさん自ら設営。あっという間に出来上がって驚きました。この作業スペースのみならず、tokiori全体が日を追うごとにモリヤさん色に染まり、10日目が終了した次の日も出勤してくるのではないかと思ってしまうほど。

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限られた日数の中、『Rendez-vous』にご来店くださったみなさま、気にかけてくださったみなさま、ありがとうございました!初日から賑やかなスタートとなり、壁一面を埋め尽くした100以上あった額縁も最終日には3分の1ほどを残すのみに。

多くの作家の額装を手がけているモリヤさん。自身も画家志望だったという背景もあり、アートに対する興味や知識、今まで目にしてきた数々の作品で培われた審美眼から発せられる言葉の信頼感、そして穏やかに導いてくれるその人柄が、多くの人が慕って額装を依頼する理由のひとつだと思います。
普段は長野市小鍋に工房を構えています。額装したいものが出てきたら、ぜひ、訪ねてみてください。

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FLATFILE
長野県長野市小鍋11−17
https://www.instagram.com/flatfile_/