料理家Hikaruさん(@hikhaboucca)とご一緒する3回目の会は、はじめての夏の会。
夏前からHikaruさんと会の想像を膨らませ、当日は室内に光や土や風、夏の畑の様子が感じられたり、テーブルを囲んで木陰で過ごしているような雰囲気を楽しんでいただけたらいいねとお話しを重ねてきました。
そして迎えた当日、2日間、各日6名様をお迎えしました。
暑い中足をお運びいただきありがとうございました。
ミント水をいただきながら、会ははじまりました。
今回の胡瓜は信濃町にあるりんもく舎さん(http://rinmoku.com/)のもの。5月に畑にお伺いしたのですが、畑の土がふかふかなことに驚きました。お話しを聞くと、農薬や化学肥料を使ってコントロールせず、草や虫、太陽など自然の力でできた土壌とのこと。
自然の力に委ねた純粋な土壌で育った胡瓜だからこそなのか、味が濃く食感もしっかりとしていました。今回は珍しい薄い緑色の胡瓜も。味は通常の胡瓜より少しすっきりと辛味を感じます。広げた時の視覚も楽しく、お好みで混ぜてパンに挟んでいただきました。ちなみに、ストレスなく育った胡瓜はまっすぐなんだそう。
今回使うパンは、Hikaruさんが朝焼き上げてくださったプルーンを練りこんだほんのり甘いパン。これがまた美味しいのです。
薄くスライスしたパンにマヨネーズを塗り胡瓜を丁寧に少し重なるように並べて塩を。その上にディルを広げ胡椒も少々。
みなさんがディルをちぎり始めると、いい香り!爽やかな香りに包まれました。
サンドウィッチに重石をして待つ間、シャルトリューズの時間です。
シャルトリューズは、フランスの修道院で1600年代ごろから秘伝のレシピで作られている薬草酒で、『ヴェール(緑)』と『ジョーヌ(黄)』があります。今回、このシャルトリューズに着想を得て、Hikaruさんがオリジナルレシピでノンアルコールのシャルトリューズ”Hikaru”を作ってくださいました。緑と黄色を足した深い色。
まずはそのままの香りと味をたのしみます。とろみのあるシロップは口の中にふわっと広がり、しばらくの間余韻に浸れるほど深く。
その後、レモンを絞り発泡水で割ってカクテルに。鼻先で感じるレモンの酸味も爽やかで、体の中を涼やかな風が巡っていくようでした。ハーブクラッカーとオリーブを添えて。
Hikaruさんからシャルトリューズのお話しを聞いた時、この会全体のつながりをよりはっきりとイメージすることができました。緑と黄色、夏には胡瓜も緑の葉を広げ黄色い花を咲かせます。太陽の下に広がる畑の景色が目の前にありました。一方で、これが修道院で数人の修道士のみが知る秘伝のレシピで作られ、ひんやりとした貯蔵庫に静かに眠る薬草酒を想像した時の重厚感。夏のエネルギーに満ちた時間から、夏の終わりに差し掛かる頃、少し疲れた体を癒してくれるような時間へ。
サンドウィッチとかぼちゃのクリームスープをいただきながら、りんもく舎さんの畑のことやシャルトリューズのお話しをしたりして過ごしました。胡瓜のシャキシャキとした音が響き、みなさん大切そうにひとくちを味わっていらっしゃいました。もう終わってしまう…と名残惜しそう。
最後はほのかにハーブの香りをまとったフランと、ラプサンスーチョンという松の葉の煙で燻したお茶でしめくくり。
はじまりから終わりまで、爽やかな香りと深い味わいに満ちた時間となりました。
会の余韻を愉しんでいただけるようにと、シャルトリューズ”Hikaru”を小さな瓶に詰めてお土産に。ラベルは修道院をイメージして、手書きで文字を書き、ロウ引きして作りました。
テーブルの上に置かれた小さな本もまた、今回の会のイメージに合わせて手作りしたもの。フライヤーで使った半透明の紙が、光にかざしてみると写真に透明感が出て綺麗だったので、写真や映画のスライドみたいになってみなさまの記憶にとどめていただけたらと。
会場の様子も少し。
シンプルな胡瓜のサンドウィッチも、丁寧にひとてまかければ作るのも楽しく、見た目も美しく。きっと誰かに作りたくなるサンドウィッチのひとつになります。会のあと、ご参加くださった方がさっそく作っていらっしゃるのを拝見してとても嬉しくなりました。
ご参加いただいたみなさま、ここでのご縁をありがとうございました。そして、今回ご参加が叶わなかったみなさまへ、会の様子をうまくお伝えできていればと願いながら、今回の会の記録でした。
今回も、写真はズズサウルスの木下さんに撮っていただきました。
いつもありがとうございます!